アーランC 計算ツール
「20秒以内に80%の電話に出る」には何人必要か。予測入電数と目標を入力すると、目標を満たす最小の人数を求め、シュリンケージを考慮したシフト人数まで計算します。
アーランB式:必要回線数
アーランC式の仕組み
まず予測入電数を呼量(単位:アーラン)に換算します。A = 入電数 × AHT ÷ インターバルの長さ です。30分に100件、AHT 180秒なら 100 × 180 ÷ 1800 = 10 アーランで、10人が休みなく応対し続けてやっと追いつく量です。
オペレーターが N 人のとき、着信した呼が待たされる確率(待ち確率)はアーランC式で次のように表されます。
P(待ち) = [ A^N / N! × N/(N−A) ] ÷ [ Σk=0..N−1 A^k / k! + A^N / N! × N/(N−A) ]
この確率から、各指標は次のように求まります。
サービスレベル = 1 − P(待ち) × e^(−(N−A) × T / AHT)
平均応答速度(ASA)= P(待ち) × AHT ÷ (N − A)
稼働率 = A ÷ N
このツールは、N を A より大きい最小の整数から1人ずつ増やし、設定したすべての目標を満たす最初の人数を求めます。これが、ログインして応対可能な状態でいるべき人数です。実際には休憩・研修・欠勤があるため、シフトに入れる人数は N ÷ (1 − シュリンケージ) を切り上げた値になります。
計算にはアーランB式を経由する数値的に安定した漸化式を使っているため、1インターバルに数千件の入電があってもオーバーフローしません。
結果の読み方
- 必要オペレーター数 — そのインターバルにログインし、応対可能な状態でいる必要がある人数。
- シフトに入れる人数 — 必要人数をシュリンケージで割り増しした人数。
- 稼働率(占有率) — オペレーターが応対している時間の割合。おおむね 85〜90% を超える状態が続くと疲弊や AHT の悪化につながりやすいため、上限を設定できるようにしています。
- 平均応答速度(ASA) — 待たずにつながった呼も含めた、全呼の平均待ち時間。
アーランC式の限界
アーランC式は「待っている間に誰も電話を切らない」「呼はランダム(ポアソン到着)に発生する」「全員がすべての呼に対応できる」と仮定しています。実際には放棄呼があるため、サービスレベルが低い場面では、アーランC式は必要人数をやや多めに見積もります。それでも要員計画の標準的な出発点であり、多くの WFM ツールや Excel テンプレートが同じ式を使っています。
よくある質問
シュリンケージは何%にすればいいですか?
25〜35% 程度で計画するコンタクトセンターが多いようです。数週間分の実績から(給与対象時間 − 応対可能時間)÷ 給与対象時間 を計算し、自社の値を把握するのが確実です。
チャットやメールにも使えますか?
1人1チャットならそのまま使えます。同時に複数対応する場合は、AHT を実効的な同時対応数(例:2.5件)で割るのが一般的な近似です。メールやバックオフィス業務はリアルタイムの待ち行列ではないため、作業量ベースで計算してください。
1人増やすだけでサービスレベルが大きく変わるのはなぜ?
待ち行列の振る舞いは非線形だからです。稼働率が高いほど、1人追加したときに待ちが減る割合が大きくなります。結果の下の比較表で、人数ごとの変化を確認できます。
Excel のテンプレートや他のツールと結果が違います
インターバルの長さと AHT の単位(秒・分)がそろっているか確認してください。また、サービスレベルの定義(放棄呼を分母に含めるかなど)はツールによって異なることがあります。このツールは放棄呼を考慮しない標準のアーランC式で計算しています。